概ね、4年前の当ブログの記事に対する、ご質問です。その過去記事は、下記にリンクを貼りましたので、ご覧ください。

読者様からいただいた電子メールは、過去記事である公開日 : 2017年7月22日のオプティマスハイカープラス(箱型ガソリンストーブ)のメンテナンスについてのものでした。

今回の記事の内容は、当ブログの読者様であるスイカ様への返信(回答)です。質問の趣旨は、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンスです。具体的なメンテナンス部分は、オレンジ色の矢印部分についてです。

読者様(スイカ様)からの電子メールは、2021年5月31日(月)午後2時51分に受信しました。

下記に、読者様(スイカ様)からの電子メールでのお問い合わせ内容、全文(まま)を掲載します。

「突然失礼します、よろしければ教えて下さい。
絶対に回してはいけないと書かれている緑のナットの付け根から燃料漏れが有ります。説明書や他のサイト見ると、そのなかに燃料フィルターが入っているような事が書かれているのですが、生産時期により違うのでしょうか?
壊れたら嫌で怖くて回せません、良ければ教えて下さい。」


読者様への返信です。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+の構造とメンテナンス

概ね、4年前の当ブログの記事に対する、ご質問です。その過去記事の文中にあった緑色のナット部分についてのご質問の電子メールです。

常時、多量に送信されてくるスパムメールは目を通さないでシステム的に、ゴミ箱に直送なのですが、この電子メールだけはゴミ箱に直送にならずに受信ボックスに残っていました。

受信ボックスに残っていた電子メールに目を通しました。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+の構造や、メンテナンスについて記事化しつつ、回答します。

結論を先に書きます。絶対に回さないでください。修復不可能になります。

なお、燃料フィルターについては、記事中に、所在場所や交換方法について、記載しました。

回してはいけない部分とその理由。またメンテナンス可能な部分、メンテナンス方法、メンテナンス素材などについては、以下の各項目に可能な限り、詳しく、かつ、丁寧に記載しましたので、読んでください。

読者様への返信です。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+は、最後の箱型ストーブです。

ロビンは、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+の全ての製造ロットに精通しているわけではありません。限られた手元の情報をもとに回答することをご承知ください。

まず、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+は、まだ、フィールドで沢山の方が使用しています。

これから、コールマンの箱型ストーブ(バーナー)を除けば、何十年にもわたって使用されていく多様な燃料に対応していく、最終生産型の箱型ストーブです。

しかしながら、以下の欠点も有していました。

その欠点とは、基本的には、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+は、生産時期が異なっても、バーナーヘッドに設計の重心が置かれ、他の装置などの設計は2の次になりました。

特に、メンテナンスについては、ユーザビリティ重視とはなっていない部分もありました。

また、同様のOPTIMUS(オプティマス)のバーナーヘッドを使用した、燃料タンクを切り離した初期のOPTIMUS(オプティマス) NOVAには、フューエルライン(グニャグニャした燃料パイプのことです。)から燃料が駄々洩れが発生したケースがありました。

燃料の駄々洩れは、フューエルラインの強度もさることながら、多くは、接続部分(接合部分)から発生しています。

フューエルラインの信用性を保つには、メンテナンス性や、十分な強度を維持する必要があると思います。

このフューエルラインの強度を維持したメーカーやストーブは、多くはないのではないかと思います。

逆に言うならば、タンクとバーナーが一体型のバーナー(ストーブ)は、ある程度のスキルがあるメーカーには製造できますが、タンクとバーナーが分離している型や箱型などのバーナーやストーブは、北米系や欧州系の限定的なメーカーに、長年培ったスキルがあると思います。

設計思想も素材の選択も、一朝一夕にはいかないと思います。

読者様への返信です。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+の構造

OPTIMUS(オプティマス) HIKER+(緑色のタンクの箱型ストーブ(バーナー)のことです。)の構造もメンテナンスを考えるならば、もっと様々な素材を使うべきだったと思いますが、エンジニアには対抗しきれない、メーカーサイドのコスト削減という至上命令があったのだと思います。

アウトドアで使用する燃料は、ガスに大きく傾きつつあった時に、OPTIMUS111並みのメンテナンスの志向性を重視させるよりも、誰にでも扱えて、かつ、多様な燃料がほぼノーメンテナンスで使用できるバーナーの開発はメーカーサイドがとる道筋としては正しかったと思います。

つまり、箱型ストーブ(バーナー)のメンテナンスと新バーナーヘッドを開発させ両立させることは、開発費用の面から無理があったのだと思います。

通常は、燃料タンク周辺のメンテナンスについて考えるならば、燃料タンクとフューエルラインは切り離しできること、あるいは、バーナーとフューエルラインは切り離しができることは、通常は基本的な仕様です。

コールマンストーブ(バーナー)は、フューエルラインや燃料の気化する役目を、ツーバーナーもシングルバーナーもジェネレータに負わせています。

しかし、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+はタンクの部分は溶接、また、バーナーとの接続部分は、切り離しが不可能になっています。

要するに、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+は、2カ所とも、分解メンテナンスが不可能になっています。

海外には、ebayを通じて、上記を改造したOPTIMUS(オプティマス) HIKER+も出品展示されていた例もありますが、例外ですので、今回の記事には記載しません。

読者様への返信です。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンス

ブログを通じての、読者様への返信になります。

具体的には、「緑のナットの付け根から燃料漏れが有ります。」ということですが、見てみないと具体的な対応策が分かりませんが、もし、ナットを回さないで済むならば、ナットを回さないで、燃料漏れがおさまるように液状ガスケットを塗布してください

現時点で、ロビンが重宝している液状ガスケットは、下記の画像のモノタロウ製の液状ガスケットです。注文コードは58108267です。

この液状ガスケットはモノタロウから購入しました。他の液状ガスケットと比較して下記のとおり秀逸な点が3点あります。

1.ラミネートチューブを使用しているので、中身(液状ガスケットのことです。)が押し出ししやすい。

2.中身が硬化しにくい。(次に使う際に、硬くなっていないので、問題なく使用できます。)

3.耐熱温度が高い。

モノタロウでは、上記の商品について、下記のようにコメントしています。

使用温度範囲が-54℃~371℃と高いため、高温部の漏れ止めシールとして最適な湿気硬化型高耐熱RTV液状ガスケットです。
約15~20分で指触乾燥が始まり、約24時間以上でゴム状に完全硬化、肉盛り性があるので大きなクリアランスの場所でも塗布使用出来ます。
作業性は柔らかいラミネイトチューブを採用しているので押し出しし易く、チューブよりシール剤を押し出した際、非流動性のため液垂れしにくく作業性が良好です。
マフラー回りのサイレンサー接合部やエキゾーストパイプ連結部、エキゾーストマニホールドの排気系漏れ止めシールとして威力を発揮し、クランクケースやシリンダーヘッドカバー等にも使用ができ、また、燃焼機器の排気系パイプ連結部等のシールとしても使用出来ます。

もちろん、上記の商品以外でも同等以上のスペックがある液状ガスケットならば、全然問題ありません。

液状ガスケットを丁寧に塗布すれば、必ず、燃料漏れは収まります。それよりも怖いのは、緑のナットを回転させてフューエルラインを壊してしまうことです。

以上を踏まえてですが、基本的に、OPTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンスして良い部分と、絶対に触れてはいけない部分を記載します。

読者様への返信です。PTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンス。高温度対策

ロビンは、ストーブ(バーナー)の公差の大きい部分のガスケットの気化ガスやオイルリークには、上記の液状ガスケットの商品を使用しています。

アルコールを入れる予熱皿や高温度にさらされる部位に、使用しています。

この液状ガスケットは、約5年間使用していますが、オイルリークなどは一切発生していません。

使用温度範囲が-54℃~371℃と高いため、基本的には、高温度に対する心配は要らないと思いますが、ゴトクの上に大きな鍋等を置いた場合は、輻射熱が発生する場合があり、かつ、高温度がこもる場合があるかもしれません。その場合は、液状ガスケットに影響を及ぼす可能性があるので、液状ガスケットを塗布した部分をカバーで覆うことが必要になってくる場合があるかもしれません。

上記のように、ほぼ万能な耐熱シリコンガスケットなのですが、1度塗布して剝がす際に、ギコギコが残らないように丁寧な作業が要求されることが唯一の欠点です。

耐熱液状ガスケットを、剝がさなければ、この欠点は解消(欠点ではなくなります。)されます。

読者様への返信です。PTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンス。絶対に触れてはいけない部分

下記画像の取扱説明書に記載されているように、緑のスクリューナットは絶対に回してはいけない部分です。

しかし、このOPTIMUS(オプティマス) HIKER+については、スクリューナットが緑色になっています。これが、そもそも論ですが「触ってはいけない部分の色(メッセージ)なのです。」メンテナンスにはどのように気を付けても、緑の塗料は剥げます。

メンテナンスする度に、色が剝げ落ちるなどは、通常は、あり得ないことです。要するに、OPTIMUSがコメントしたかったことは、緑のナット部分は、耐熱塗料を塗布したので、メンテナンスを要しない場所であり、かつ、触ってはいけない部分にしたかったのです。

つまり、「緑のナット部分は、メンテナンス可能な部分ではないので、緑色に塗布したのです。」触ってはいけない部分です。

通常は、メンテナンスの1パーツ(1部品)として形成されている場合は、真鍮の場合は「金色」、ステンレス製の場合は「銀色」のナットが使われています。

触って(回転)させて良いから、無垢の金色や銀色のナット(ネジ)になっています。

要するに、無垢の金色や銀色のナットやガスケットが見えます。

それが、燃料タンクやフューエルラインと同一色で塗布されて、触れないようになっているということは「触ってはいけない部分」なのです。

読者様への返信です。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンス。メンテナンス可能な部分

手元にあるきれいなOPTIMUS(オプティマス) HIKER+の取扱説明書をスキャンしてみました。

以下の画像は、メンテナンス可能な部分です。

大事に使えば、無限に使えるストーブ(バーナー)です。そして、これからは入手が不可能なストーブ(バーナー)になります。ストーブ(バーナー)、ランタンは全て、使ってなんぼの世界です。美味しいスープやコーヒー、キャンプ飯を作って、楽しんでください。

この記事が、ストーブ(バーナー)のメンテナンスに少しでも役立つようならば、望外の幸せです。

ストーブ(バーナー)やランタン(ランプ)は全て、一生モノです。大事に使ってください。

下記画像の、向かって右下段に、ご質問のあったフューエルフィルター(燃料用フィルター)について記載があります。ご覧ください。

過去の記事も参考にしてください。

読者様への返信です。OPTIMUS(オプティマス) HIKER+のメンテナンス。耐熱、耐油シール

部屋の電気が反射して、少々見にくいですが、記事化します。使い勝手が良いので、ナットなどを装着させる際は、多用しています。

この耐油、耐熱シールはホームセンターで売っている一般適な水道用シールではありません。耐油性や耐熱性を確認した上で、通販サイトで購入してください。

今回は、緑のナット部分は、回転させられないので使用できませんが、オイルリークには、この耐油、耐熱シールが大変便利です。

なお、このシールは、ガスには使用できません。

巻くテープとしては、高温度に対する耐熱性を有しています。

260度までOKですので、ナットとフューエルラインの公差が大きく、パーツが手に入らない場合などに重宝しています。