2024年2月22の日経平均が、終値3万9098円を記録しました。バブル期に記録した日経平均3万8915円を34年ぶりに塗り替えました。
株価や日経平均の上昇については、色々な見方がありますが、今回は、貨幣供給量から考えてみたいと思います。
ヒトの生活の中で、電気や富の蓄積は直接的にはできないので、電池や貨幣などで間接的にプールするようになっています。
この中で、貨幣が増加すれば貨幣の値打ちは下がり、貨幣が減少すれば貨幣の値打ちは増加します。
貨幣の対局線上にある物(モノ)の値段(価値)も、貨幣の増減と真逆にスライドします。
アベノミクスと日銀の「異次元の緩和」による貨幣の供給量が及ぼした影響について、投稿します。
なお、貨幣の供給量には、アジアの投資市場から資金の引き上げ、日本の株式市場への投下。また海外の大口機関投資家の資金投下もありますが、今回の投稿には含めません。
貨幣の供給量。日銀のM3の変化
貨幣の供給量については、さまざまな指標がありますが、今回は、M3を使用します。
M3のデータは、全金融機関を含んでいますので、データとしては説得力があると思います。
M2は、市場全体に流通している通貨の供給量を示す指標です。 このため、M2の量が増加すれば、その国や地域の通貨には下落圧力が高まります。 逆に、市場全体に流通するM2の量が減少すれば、その国や地域の通貨には上昇圧力が高まります。 このようにM2の動向は、外為市場のトレンドを左右する要因です。
*M2(エムツー)はM1と準通貨の合計です。
準通貨とは、解約することでいつでも現金通貨や預金通貨となって、決済手段として使える金融資産のことです。定期預金・据置貯金・定期積金などのことです。これを、定期性預金といいます。
*M3(エムスリー)はM2に郵便局・農協・信用組合などの預貯金や金銭信託を加えたものです。
為替相場のドル高と円安
下の図は、ドル高と円安を描いた図です。
ドル高と円安は、貨幣の供給量だけではなく、各国の中央銀行の政策や他の要素によって決まっていくモノですが、「円」の価値は下落しています。
各国の大口機関投資家の日本市場への参加
上述のことから、各国の大口機関投資家が日本市場への参加を行なって、日経平均を押し上げていると考えられます。
品質の良いモノを安く!
と思った、各国のプレイヤーが比較的に割安感がある、日本の株取得を考えているかもしれません。
貨幣の供給量とマネタリズム
マネタリズムに関しては、さまざまな考え方がありますが、簡単に言えば、貨幣の量を増減させることで物価や失業率にも変化を与えることができる、と考える経済学の立場のことです。
現代の日本でも、景気刺激のために、中央銀行(日銀)によって大量のお金が市中に投入される「量的緩和政策」が行われています。
マネタリズムを創出したのは、フリードリヒ・ハイエク(Friedrich August von Hayek)やミルトン・フリードマン(Milton Friedman)といった「新古典派」と呼ばれた経済学者たちです。
ミルトンフリードマンは、1976年、ノーベル経済学賞を受賞しています。