ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!イギリス陸軍No12ストーブのメンテナンス!
・先日、フィールドで英国陸軍No12ストーブ(ローラーバーナータイプ)の燃焼調整ハンドルのオン、オフを行う際に、ニードルとスピンドル間にギコギコ感を感じました。
・このNo12ストーブについては、ほぼノーメンテナンスで酷使してきたので、久々にメンテナンス開始です!
・今回、メンテナンスを行ったのは、右側のNo12クッカー(ストーブ)です!
・また、燃料タンクのポンピングを行う際に、ポンプの跳ね返りが固かったことや燃料タンクのガスケット(パッキン)部分から液体燃料が若干漏れていたので、NRV(逆流防止弁)のゴム製のパーツを交換することにしました!
・ニードルとスピンドルの交換を行う際に、既に装着してあったリングとスタッフィングボックスは、内径が小さかったために新しいスピンドルに装着することができませんでした!
・したがって、スピンドル、グラファイトパッキン、リング、スタッフィングボックスの4点は全て新しいモノに交換しました!
・パーツの規格の差が激しいと、上記のようなケースは発生します!
・ニードルについては、これを使用しないでもメンテナンスする方法はあります!
・要するにスピンドルとニップル(ジェット)のみを組み込む方法です!しかしながら、ロビンの手元には十分ニードルの在庫がありますので、これらを全て消耗した際、あるいは、入手(購入)できなくなった場合に、ノーニードルでメンテナンスを行いたいと思います!
・例えば、エンダースガソリンストーブ9060D等は、ノーニードルでも問題なくドライブできます!要はスピンドルだけで燃料供給の『加減を行っています!』基本的には、このイメージです!
・ただし、ノーニードルにした場合は、プリッカー(針)等で、時宜に応じてニップル(ジェット)の穴を掃除してあげる必要が出てきます!
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!メンテナンス前に準備するモノ
・24ミリのレンチ(燃料タンクに装着されているナットを外す際に使用します。)
・マイナスドライバー(NRV(逆流防止弁)を取り外す際に使用します。)
・ウォーターポンププライヤー(NRV(逆流防止弁)を取り外す際に使用します。)
・ピンセット(ニップル(ジェット))の脱着に使用します。
・新品のオプティマス 111系のスピンドル 1個
・新品のオプティマス 111系のスタッフィングボックス 1個
・新品のオプティマス 111系のリング 1個
・新品のオプティマス 111系のグラファイトパッキン 1個
・NRV(逆流防止弁)のゴム製のパーツ。(もちろんNRVごと交換してもOKです!)
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!今回のメンテナンス作業で交換したパーツ!
・既にパーツを組み込んでいますが、スピンドルおよび一式を交換しました!
*画像の1番下に写っているニップル(ジェット)は交換しておりません!
・ゴムが薄い方が古いモノで、ゴムが厚い方が新しいパーツです!ゴムの厚い、薄いは問題ではありません。
・問題の本質は、ゴムの硬化状況です!薄い方のゴムは硬化していて、ゴムというより鉄とかコンクリートといった硬さです!
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!作業手順1
(1)燃料タンクのバルブを緩めて、燃料タンクの圧を開放していきます。
(2)次にポンプのシリンダーを抜きとります。
・下の画像は、ポンプシリンダーを抜き取ったモノです!
(3)そして24ミリレンチで燃料タンクのバルブを緩め、燃料タンクからポンプを抜き取ります。
・下の画像は24ミリレンチで燃料タンクのナットを回しているモノです。
(4)ポンプシリンダーを抜き取ったらマイナスドライバーまたは、ウォータープライヤーでNRV(逆流防止弁)を外します!
・今回は、ウォータープライヤーでNRV(逆流防止弁)を外しました。
・このNRV(逆流防止弁)に中に、上記の赤い矢印のゴム弁と同様なモノが収納されていますので、このゴム弁を交換後、上記の作業と逆の手順で、ポンプシリンダーを取り付けていきます!
・これで、ポンプシリンダーに取り付けてあるNRV(逆流防止弁)内のゴム弁の交換は完了です!
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!シッカリNRV(逆流防止弁)が装着できたかどうかをテストします!
・ポンプシリンダーの圧縮空気ので口に指を押し当て、軽くポンピングを行います。
・この際に、ポンプにシッカリ圧がかかり、ポンピングにも力が必要になっていれば作業は完了です!
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!作業手順 2
・No12ストーブのメンテナンス(スピンドル、ニードル交換)
・メンテナンス作業の内容によって、若干、手順が異なる場合がありますが、今回はスピンドル一式を交換しますので、あらかじめスピンドルにリング、グラファイトパッキン、スタッフイングボックスが一体化されたモノを手元に用意しておきます。
・まず、下の画像のように、バーナートップの天板(フレームスプレッダー)を取り外します。
・次に、下の画像のニップル(ジェット)を取り外します。
・今回はNo12ストーブの純正工具を使用して、ニップル(ジェット)を外します。
・次に概ね外れそうになったらピンセットでニップルを外します!
・下の画像のようにニップルを外します。
・この後は、先ほどの工具を使用してスピンドルを緩めると、簡単にスピンドル一式が外れます。
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!作業手順 3
・ケロシンストーブイギリス陸軍No12クッカーにスピンドルを一式組み込む際のポイント!
・続けて、上述した用意してあるスピンドル一式をはめ込んで、更に上記のニップルを外した際の工具で締め込んでいけば完成です!
・更に、この後残っている作業のニップル(ジェット)を組み込んでいけば、全てのメンテナンス作業は完了です!
・スピンドルにはリング、グラファイトパッキン、スタッフイングボックスの順番で組み込んでいきます。
・その際にリングには表裏がありますので若干注意が必要です!
・スピンドルに入れるメタルリングの平らな面は、奥の方に向けます。また、凹んでいる方はグラファイトパッキンの方に向けます。
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!作業手順 4
・作業手順 4 スピンドルを組み込んだ後に、ニップル(ジェット)を組み込む際の微調整のポイント!
・この微調整のポイントはヒトそれぞれですが、簡単な調整方法を記載します。
・まず、燃焼調整ハンドルを時計回り方向に目いっぱい回しておきます。
・次に、ニップル(ジェット)の針の部分を軽く押さえて、ハンドルを反時計回りにゆっくり回します。
・この時ほんの少しニップル(ジェット)が下に落ちます。
・再度、ハンドルを時計回りに回します!(この時計回りで回りきらなくなった時点は、スピンドルが燃料カットして消火するポイントと、必ず一致させてください。)
・これが甘いとフィールドで燃焼調整ハンドルを時計回りに目いっぱい回しても、液体燃料が完全にカットできていないため、消火になりません!
・更に、作業を続けます!上記の作業を続けて指先で針を触って、概ねバーナーの火口より『ほんの少しだけ』出ている状態で、ハンドルを時計回りにした状態で固定します!
*この状態で、ニップル(ジェット)を装着していなかったとしてもスピンドルが時計回りに目いっぱい回している状況ですので、点火不能=消火=燃料漏れはしない状況です!
*この状態から燃焼調整ハンドルを徐々に、反時計回りに回していくと、火力は増していきます。同時に(ある時点から)ニードルの針が上昇を開始します!
・この状態でニップル(ジェット)を被せて固定すると針は見えなくなり、燃焼調整ハンドルを概ね80度くらい反時計回りに回転させると止まります。
ケロシンストーブ(バーナー)スピンドル、ニードル交換、NRV交換!パーツ取り付け後の確認作業
・スピンドル、ニップル(ジェット)等がシッカリ装着できたか否かをテストします!
・上記までの作業が完了したら、簡易テストを行います!
・まず、ニップル(ジェット)を軽く締めて、燃焼調整ハンドルを時計回り(消火位置)まで回しておきます。
・次に、2回程度軽くポンピングを行います。
・この時点でスピンドル自体がシッカリ燃料カットの位置になっていないと、液体燃料が噴水のように吹き出るか、スピンドルの取り付けが甘いとジワジワとニップル(ジェット)周りに、液体燃料が貯まります。
・上記の2回ほどのポンピングがOKの場合は、更にポンピングを約10回ほど行います。
・これで液体燃料が漏れて来ない場合は、作業は万全です!
・しかし、液体燃料が噴き出すような場合は、再度、作業手順 3と4を繰り返します!
・原因はたった2つです。スピンドルの取り付けが甘いため、燃焼調整ハンドルを時計回りにしても、バーナーとスピンドルに隙間があって、そこから液体燃料が漏れてくるケースです。
・この場合はスタッフイングボックスの増し締めを若干行い、スピンドルの更に時計回りに増し締めを行い液体燃料の漏れが止まるポイントを見つけます。
・このポイントが見つかったら、それ以上スタッフイングボックスやスピンドルの増し締めは不要です。
・スタッフイングボックスもスピンドルも、シッカリ機能しています!
・次に、スタッフイングボックスやスピンドルはシッカリ機能して、液体燃料は止まっているのに、ニードルを装着した際に、液漏れが発生する場合の原因です。
・この場合は、スピンドルとニードルの嚙み合わせが上手くいっていません。
・原因は燃焼調整ハンドルを時計回りにしても、ニップル(ジェット)を嚙み合わせたことによって、燃焼調整ハンドルが消火位置から『ほんの僅か』ズレているからです。
*燃焼調整ハンドルが、ほんの数ミリ消火位置に達していない場合でも、液体燃料は漏れます!
・上述の指と針の位置を探りながら、燃焼調整ハンドルがシッカリ消火位置まで到達するように調整すれば、テストは完了です!
・以上で、No12ストーブのメンテナンス(スピンドル、ニードル交換、NRV交換)は完了です!
・上記のメンテナンス作業はNo12ストーブだけではなく、オプティマス111やハインツ・ゲニオールストーブ等に共通する作業です。
・また、エンダースストーブにも一部共通する作業です!
・最初は、時間を要するかもしれませんが、次回からは10分から20分もあれば、完了します!
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・愛機をメンテナンスして、末永く使用できます!