新潟県上越エリアの笹を使用して、笹寿司(笹寿し)を作りました。笹寿司は、コテージ泊やアウトドア料理やキャンプ飯でも簡単に作ることができます。

笹寿司を美味しく作るポイントは2つです。1つ目は良質な笹を使用すること。2つ目は食べる人が好むモノを具材(トッピング材)として使用することです。この2つを行えば、確実に美味しい「笹寿し」は完成します。

大事なことは、作る人が具材を決めるのではなく、極力、食べる人の好みを「笹寿し」の具材に反映させるのです。

今回は、新潟県上越エリアの自宅(ホワイトベース)の庭に自然発生している笹を使用しました。

新潟県上越エリアでは、笹は古くから食料を包む包装材料として、重宝されてきました。

笹を使用したお菓子などには、例えば、笹団子や笹飴があります。

笹飴は、夏目漱石の「小説坊ちゃん」にも登場します。

昔は、抗菌作用をもった包装材は、生産されていませんでした。腐敗を防止するためには食材の十分な加熱や、酢を加えることが必要でした。

腐敗防止や、ご飯を美味しくするため、酢飯を作りつつも、新潟県上越エリアでは笹が重宝されました。笹は庭や山などで自然にとれて香りがある点、抗菌作用がある点、何よりも無料で庭などで採集できる点があったために、お弁当のおにぎりを包む包装材料としても使われていました。

この笹の葉の活用と、食材に酢を加えるなどの作業によって、「越後名物料理の笹寿司」が生まれていきます。

今回作った笹寿司(笹寿し)は、簡単に言うとサンドイッチと同じ構造で、パンをご飯(お米)に替えた形式です。大きな違いは、サンドイッチはパンとパンの間には、何も入っていませんが、笹寿司はご飯とご飯の間に、笹を挟んでいます。

この笹が、酢飯と相まって笹の香りを運んでくれます。

親類の家の庭では、もっと大きな笹の葉が採れるのですが、今回は、簡単に身の回りの笹を使用しました。

作った際のプロセスについて記事化します。

笹寿司を作りました。笹寿司とは「新潟県上越エリア」に伝わる郷土料理です。

冒頭部分でも記述しましたが、新潟県上越エリアでは、食料を包む包装材料として、笹は重宝されてきました。

その笹の使い道の1つとして、「お寿司」を作る目的がありました。

お寿司というと一般的には江戸前寿司ですが、新潟県上越エリアでは、お祝い事などで「笹寿司(笹寿し)」を作ることが多々ありました。

下記に、農林水産省の笹寿司(笹寿し)についての記述があります。

若干、引用します。下記が引用文献です。

笹寿司を作りました。上越エリアの郷土料理

農林水産省 笹寿司 新潟県 うちの郷土料理

「笹寿司」は、北信越地方に伝わる郷土料理で、新潟県では、上越地方を中心に食べられている。

石川県は、酢飯を笹で包んで押してつくる「押し寿司」だが、新潟県の「笹寿司」は、クマ笹の上に酢飯をのせて具材や薬味を盛りつけたもの。

妙高市、上越市、糸魚川市などの上越地方では笹の葉を箕のかたちに折ってつくり、「箕寿司(みずし)」と呼ぶ地域もある。専用の木箱を使い重ねてつくる地域もある。

主に、ハレの日の料理としてつくられ、お盆や祭りなど人が多く集まるときに振る舞われていた。酢飯の上に具材を彩りもよく飾り付けたものや、具材を酢飯に混ぜてつくるものもあり、地域や各家庭で少しづつ異なる。手間がかかるため、家庭でつくることは昔より少なくなってきている。

「笹寿司」の誕生と、新潟・長野の両県に伝わっているのにはいくつかの説があり、「戦国時代に上杉謙信の軍勢が武田信玄との戦の際に山奥で器代わりに笹に御飯を盛った」「川中島の合戦に出陣する上杉謙信に長野県飯山市富倉地域の住民が笹の葉寿司を献上した」などといわれている。

また、笹は防腐効果が高く、保存食としても食べられていた。実際に、上杉謙信もごはんを笹の葉に包んで携帯していたともいわれている。」

笹寿司を作りました。各家庭で異なる「笹寿し」

我が家の「笹寿司」は、押し寿司に近いです。また、笹寿しの上にトッピングするものも各家庭で異なっています。

なお、具は魚系はスモークサーモンや田麩(でんぶ)だけです。

あとは、お肉系がほとんどです。

下記画像のように、具をトッピングした後、上から若干、圧力を加えます。

下記画像のように、笹をいっぱいに敷き詰めて、笹の香りを際立たます。。

笹寿司を作りました。各家庭で異なる「笹寿司」。準備するもの

材料の準備

笹は、クマ笹でも、真竹の笹でも、OKです。

なるべく、大きめのモノを取って来ます。春から、初夏にかけて新葉が出るから、なるべく新しい物がいいと思います。

理由は、長く生えてる葉っぱは、虫食いや、色がくすんでいたり、キズや、穴があいていたりして見栄えが悪いです。

新しい葉っぱは、柔らかいけど、キレイな緑色で見栄えがいい場合が多いです。

笹をよく水洗いをして、鍋にたっぷり水を入れて、2日間つけておきます。

その際、半日くらいで水を交換します。

葉っぱの先と、付け根をハサミでキレイに切ります。

周りも色が変色していたら切り落とします。濡れたま、2-30枚くらい重ねてキッチンペーパーにくるみ、ジプロックに入れて冷蔵庫で保管する。2日以上保管(保存)するなら、冷凍庫で保管(保存)します。

ご飯は、必要なだけ用意して酢飯にします。

具材は、好きなものを用意します。
今回、我が家で用意したものは、酢飯、13合分(1升3合)でした。

具材(トッピング材料)

1 スモークサーモン切落し:400g
2 牛肉そぼろ、400g
3 茂蔵の厚焼き玉子、薄切り1.5本分(各家庭で作ってもOKです。)
4 コンビーフのマヨネーズ和え、3缶分
5 ウインナーのスライス甘辛炒め15本分
6 桜でんぶ200g
7 高菜の油炒め300g(今回は、使用しませんでした。)

これらの具材を予め用意しておく。

鍋底にラップをしいておきます。

1番上にくる具材から、鍋に平に隙間を作らないように並べる。具材が、隠れるように酢飯を入れていきます。

なるべく、薄く、隙間をなくしながら乗せます。

その上に、笹の葉をツルツルの面が、ご飯につくように隙間なく並べます。

ケバケバの面が出てるようにしてそこに次の具材を並べます。

薄く、隙間なく並べ、その上に酢飯を入れ、ツルツルの面をご飯につくように笹を隙間なく並べ、繰り返す。最後まで並べたら蓋をして重石をします。

1時間くらいそのままにするのが理想的だけど、手で押して平にしても大丈夫。
すぐに、逆さにして鍋をまっすぐに、ゆっくり外して、ラップを取り、包丁で好きなように切り取って、お皿に盛り付ければ完成です。

笹寿司を作りました。笹の葉に乗る分だけ作る「手巻き寿司方式」もあります。

時間短縮や、手軽に笹の葉の香りを楽しみたい場合などでは、「手巻き寿し」方式の「笹寿し」もあります。

近隣のスーパーマーケットで簡単に購入できる具材を使いながら、かつ、各自が好きなものをトッピングできる楽しさがあります。

自然の香りを楽しみながら、各家庭で異なる、一家秘伝の味で、夕食を楽しむことは、最高の贅沢かもしれません。

笹寿しの最上段は、スモークサーモンにしました。次段は、スクランブルエッグ、3段目は牛肉のそぼろ煮などと続いていきます。

笹寿しに使用するトッピング材は、家族の意見を取り入れながら作ることにしています。

1段目は、2段目、3段目とそれぞれトッピング材を、各自の好みのモノにしてあげると、笹寿司には『更に』美味しくなります。