世界最大級のコンテナ船で総重量20万トンの「エバーギブン」号が、オランダのロッテルダムに向かう途中、23日の現地時間午前7時40分頃にスエズ運河で座礁しました。

エバーギブン号の船籍はパナマです。船の所有者は、日本の正栄汽船で、運航は台湾の長栄海運です。

各関連機関が懸命の努力で、復旧作業を行っていますが、完全に復旧するには相当の時間がかかるようです。

スエズ運河大渋滞。エバーギブン号座礁。世界的な運河は2つ

大陸を横断して海峡を抜ける運河としては、世界には2つ大きな運河があります。

1つは南米パナマを横切っているパナマ運河。もう1つは今回、エバーギブン号が座礁したスエズ運河です。

両運河ともに我が国日本へ、また日本から世界へ様々な物資を、送り届ける大動脈です。

今回、巨大コンテナ船エバーギブン号が座礁したのは、下記画像の地点です。

スエズ運河大渋滞。エバーギブン号座礁。全長400メートルの巨大コンテナ船が座礁

エバーギブン号は、今治造船が開発した巨大コンテナ船です。全長は399.94メートルで、現役のコンテナ船の中では最も長い部類に入ります。

船体の幅は58.8メートル、深さは32.9メートルで、荷物を満載した状態では14.5メートルの水深です。スエズ運河の深さは24mで、幅は約200メートルです。

コンテナ船は巨大化する傾向にあり、今回の座礁では全長約400メートルのエバーギブン号が運河をふさぐ形になっています。

スエズ運河大渋滞。エバーギブン号座礁。スエズ運河を使用できない場合は喜望峰経由

海上輸送に携わる船舶は、年々、巨大化しています。

他方、パナマ運河やスエズ運河を通過できる船舶の幅は、運河の幅をベースに決定されています。

北極海や喜望峰経由はコスト的にも、航路的にも現実的ではない部分があるので、パナマ運河やスエズ運河は大変重要な存在です。

下記画像は、エバーギブン号が運河で座礁した地点を、findshipで調べたものです。

findshipの使い方については過去の記事をご覧ください。

不通になったスエズ運河の両域から、一刻も早く、開通することを願って停泊、また、機関停止している船舶が多数になり、スエズ運河の接続水域が大渋滞している様子を表しています。